「CHAOS;CHILD」TVアニメ連動サイドストーリー

カオスチャイルドな日々と人々
第3話 川原雅司

川原「……探偵ごっこかなんか知らねえけど、余計なことしてるからこんなことになんだろうが……! 死んでてもおかしくなかったんだぞっ」

乃々「川原くん! お願いっ!」

川原「来栖……」

乃々「お願い……」

川原「…………」

 

※  ※  ※

 

結人「あ。お帰り、ですか?」

川原「え? あ、ああ。お邪魔しました。ええと、君は?」

結人「乃々姉ちゃんの弟で、結人っていいます」

川原「ああ、弟……」

結人「血の繋がった兄弟じゃ、ないですけど」

川原「そうか……。来栖のこと、よろしく頼む」

結人「はい。……ところで、あの、あなたは乃々姉ちゃんとは、どういう関係ですか?」

川原「なっ!?」

結人「す、すみません。お姉ちゃんに、さりげなく聞いてこいって言われて……。あ、お姉ちゃんって言っても、乃々姉ちゃんじゃなくて。もうひとり、結衣姉ちゃんっていう、僕の一個上のお姉ちゃんがいて。そっちのお姉ちゃんから言われたんです。って、これを話したら、ちっともさりげない感じじゃないですよね。すみません……」

川原「…………」

結人「お姉ちゃんは、別に、変な意味で、僕に質問させたわけじゃ、ないと思うんです」

川原「どういうことだ?」

結人「乃々姉ちゃんのことを、心配してるだけっていうか。変な虫がついたら大変だ、って」

川原「へ、変な……虫……」

結人「あ! あなたが、そうだって、言ってるわけじゃなくて……!」

川原「は、はは、はははは……そ、そうだよな。分かってる。分かってるよ」

結人「すみません……」

川原「いや、謝らなくていい。自己紹介がまだだったな。俺は、碧朋学園生徒会副会長の川原だ。君のお姉さんと同じ、生徒会のメンバーなんだ」

結人「そうでしたか」

川原「来栖が襲われたのは、俺のせいでも……あるかもしれない」

結人「えっ? それって、どういう……」

川原「お姉さんは、新聞部が町に勝手に設置したカメラを回収しに行ったんだよ。そのカメラのことを君のお姉さんに教えたのは、俺だ。まさか、それを知ってひとりで取りに行くなんて、予想もしてなかった……」

結人「…………」

川原「すまない」

結人「いえ」

川原「…………」

結人「拓留兄ちゃんが、いつも家にいてくれれば、こういうとき、頼りになるんだけど……」

川原「そうか……。宮代は、君のお兄さんでもあるわけだ」

結人「はい」

川原「こんなことを弟の君に言うべきじゃないとは思うが。宮代は、学校でも来栖に迷惑をかけてばかりだ。宮代本人に、君からも、忠告してあげてくれ」

結人「はあ……。ところで、あの」

川原「ん?」

結人「乃々姉ちゃんは、あなたがお見舞いに来るまでは、自分の部屋で寝てたんですけど。あなたが来たって聞いて、1階にある病院のベッドに移ったんです」

川原「え、そ、そうか。それが、なにか?」

結人「乃々姉ちゃんの部屋、入りたかったですか?」

川原「な、なんだって!?」

結人「乃々姉ちゃんの部屋、すごくいい匂いがするんです。僕、あの部屋の匂い、けっこう、好きなんです。優しい匂いっていうか」

川原「そ、そうか……」

結人「興味ありますか?」

川原「え!? ええと……俺は、そろそろ失礼するよ」

結人「川原さん」

川原「…………な、なんだ?」

結人「乃々姉ちゃんの部屋に、入ってみたかったですか?」

川原「くっ! そ、その質問も、君のもうひとりのお姉さんの差し金なのか?」

結人「いえ。これは、お父さんが、聞いてこいって」

川原「お、お父さ……ん!? 来栖の、お父様が!?」

結人「はい」

川原「…………な、なぜ、そんな質問をさせたのか、お父様は、なにか、言っていたか?」

結人「ええと、言ってましたけど……教えちゃって、いいのかな……」

川原「教えてくれ! 来栖のお父様がどういう考えで俺にそれを聞いたのか、知りたいんだ!」

結人「……じゃあ、言いますけど」

川原「ああ、なんて?」

結人「“面白そうな反応をしそうだから”って」

川原「…………あ、そう」

結人「お父さん、そういう冗談、好きだから。僕は、よくないなって思ったんですけど。すみません」

川原「いや、まったく全然、問題ない……。じゃ、じゃあ、帰るよ。お父様や、お姉さんに、よろしく」

結人「はい。乃々姉ちゃんのお見舞いに来てくれて、ありがとうございました」

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